越境EC物流を成功に導く輸出入物流会社の選定基準ポイント

フォワーダー

フォワーダーは、輸出入手続きや通関業務を代行する業者です。小口配送から大口配送まで幅広く対応しており、通関業務に精通しているため、越境EC初心者の方にもおすすめです。

フォワーダーによって得意な地域や取扱品目が異なるため、自社に最適なフォワーダーを選定することが重要です。

国際宅配便業者（クーリエ）

国際宅配便業者（クーリエ）は配送スピードが速く、世界各国への配送網が確立されているため、迅速な配送が必要な場合に適しています。ただし、送料が高い傾向があるため、コストを重視する場合には不向きです。

フルフィルメント業者

フルフィルメント業者は、商品の保管から梱包、発送、カスタマーサポートまで一括して請け負う業者です。EC事業者は販売活動に専念できるため、業務効率化に繋がります。しかし、手数料が発生するため、コストを重視する場合は注意が必要です。

それぞれの物流会社には得意・不得意な分野があります。自社のビジネスモデルや顧客ニーズに最適な物流会社を選びましょう。

越境ECと物流会社選定の重要性

越境EC（Cross-border E-commerce）とは、国境を越えてインターネット上で商品やサービスを販売するビジネスモデルです。近年、インターネットの普及や国際物流の発展に伴い、越境EC市場は急速に拡大しています。

越境ECは、国内ECと比べて販路拡大のチャンスが大きい反面、物流面での課題も存在します。越境ECでは、商品の配送、通関手続き、海外特有の規制への対応など、複雑なプロセスを管理する必要があります。これらの物流プロセスをスムーズに進めるためには、適切な物流会社を選定し、効率的な物流システムを構築することが不可欠です。

物流は顧客満足度、ひいては事業の成長に直結する重要な要素です。最適な物流会社を選定することで、スムーズな商品配送、コスト削減、そして顧客からの信頼獲得といったメリットが得られます。

輸出入物流会社の選定基準

越境ECで成功するためには、適切な輸出入物流会社を選ぶことが不可欠です。そのため、さまざまな基準を考慮する必要があります。

取扱品目

越境ECで取り扱う品目によって、物流会社に求められる専門知識は大きく異なります。食品は温度管理や賞味期限、化粧品は成分表示や輸入規制、アパレルは在庫管理や返品対応、電化製品は安全基準や保証など、それぞれ特有の物流ノウハウが必要です。適切な物流会社を選定しなければ、商品に損傷が出たり、法規制に抵触したり、顧客満足度を低下させる可能性があります。

例えば食品を扱う場合、冷蔵・冷凍輸送や通関手続きに精通した物流会社を選ぶ必要があります。温度管理が不十分であれば商品の品質劣化につながり、食品ロスやクレーム発生のリスクが高まります。また、輸出入に関わる複雑な規制や書類作成にも対応できる体制が必要です。

このように、取扱品目に応じた専門知識とノウハウを持つ物流会社を選定することが、越境EC事業の成功には不可欠です。

配送エリア・配送スピード・配送コスト

越境ECにおいて、配送エリア・スピード・コストは重要な要素です。広範囲な配送網、迅速な配送、そして適切な価格設定は顧客満足度に直接影響します。特に、配送スピードは、顧客満足度に直結する要素です。航空便は速いですがコストが高く、船便は遅いですがコストが低いという特徴があります。顧客のニーズを的確に捉え、最適なスピードを選択することが重要です。例えば、高価格帯の商品や緊急性の高い商品は航空便、そうでない商品は船便というように使い分けることが考えられます。

また、配送コストは利益に直結する重要な要素です。配送エリア、配送スピード、そして商品の重量やサイズによってコストは変動します。

通関業務の対応力

越境ECで成功するためには、税関手続きをスムーズに進めるための物流会社の通関業務への対応力が不可欠です。

通関業務においては、各国・地域の複雑な規制や手続きに対応できる専門知識と経験が求められます。例えば、タイでは関税や食品医薬品局（FDA）ライセンスの取得関連で想定外の事態が発生するケースも報告されています。

越境ECを行う国・地域によって必要となる知識や手続きは異なります。最適な物流会社を選ぶ際には、それぞれの国・地域の法規制や商習慣に通じた専門スタッフの有無、そして、発生しうるトラブルへの対応力などを確認することが重要です。

事業規模・取扱量・成長段階に合わせた物流会社の選択

まず、事業規模、取扱量、成長段階を考慮し、適切な物流会社を選びましょう。小規模事業者の場合、少ない取扱量でも柔軟に対応してくれる物流会社が適しています。コストを抑え、小回りの利くサービスを受けられる可能性が高いでしょう。一方で大規模事業者の場合は、豊富なリソースとグローバルネットワークを持つ大手物流会社が適しています。大量の貨物を効率的に処理でき、広範な配送ネットワークを活用することで、迅速かつ確実に商品を顧客に届けることが期待できます。さらに、成長段階も重要な要素です。急成長中の企業は、将来的な事業拡大を見据え、拡張性のある物流システムを提供できる会社を選ぶとよいでしょう。

契約内容・料金体系の明確化

次に、契約内容と料金体系の明確化が重要です。契約内容には、配送方法、配送エリア、配送スピード、料金、責任範囲、トラブル発生時の対応などが含まれます。特に、国際物流では予期せぬ遅延やトラブルが発生する可能性があるため、責任範囲やトラブル発生時の対応を明確に定めておくことが重要です。料金体系も詳細に確認する必要があります。料金は、重量、サイズ、配送距離、付加サービスなどによって異なり、また、為替変動の影響も受けます。事前に詳細を確認し、不明点を解消しておくことで、後々のトラブルを回避できます。

相互のコミュニケーション・信頼関係の構築

最後に、相互のコミュニケーションと信頼関係の構築が成功の鍵となります。越境ECでは、文化や商習慣の違い、言語の壁など、国内ECとは異なる課題が存在します。そのため、物流会社との密なコミュニケーションが不可欠です。定期的な情報共有や迅速な問題解決のための体制を構築することで、スムーズな物流を実現できます。また、信頼関係を構築するためには、担当者との良好な関係を築き、お互いのニーズを理解し合うことが重要です。これは、緊急時やトラブル発生時の対応にも大きく影響します。信頼できるパートナーシップを築くことで、長期的な安定した越境ECビジネスを展開できるでしょう。