掲載・運営:株式会社テクイット(LogiMeets運営)/公式資料の確認日:2026年10月1日

いつものフォワーダーはいるものの、新しい仕入先からの輸入にも対応できるか確認したい。今まで扱っていなかった貨物について、別の会社の提案も聞きたい。輸入の依頼先を見直す理由は、現在の会社への不満だけではありません。

まず「どの案件の、どこからどこまでを相談するか」を決めましょう。現在の取引を続けながら、新しい航路や貨物だけ依頼先を追加する方法もあります。全面的に変更する場合も、契約条件を確認し、次回の未手配案件から段階的に進めると、引き継ぐ範囲を整理しやすくなります。

この記事で整理すること
① 変更・追加・併用の選択 ② 輸送を手配する権限と範囲 ③ 同じ条件での見積もり比較 ④ 引き継ぎと初回案件の確認。主に日本への海上輸入を想定しています。航空輸入ではB/LをAWBに読み替えるだけでなく、航空会社・空港上屋の受付条件も確認してください。

1. 変更・追加・併用を選ぶ

見積もりを取り始める前に、改善したい点を一つ以上、具体的に書き出します。「輸送費を把握したい」「新しい国の仕入先と連絡できる会社を探したい」「温度管理が必要な貨物を扱いたい」など、目的によって相談する範囲が変わります。

現在の取引との関係から選ぶ3つの方法
方法検討する場面決めておくこと
依頼先を変更する継続案件の費用・対応・運用を見直したい切り替え対象、開始する注文・出荷、現行契約の終了条件
新しい依頼先を追加する新しい仕入先・航路・貨物や、臨時の輸送を相談したい今回だけか継続候補か、試す案件と評価する項目
複数社を継続して併用する航路・貨物・輸送方法ごとに依頼先を分けたい案件を振り分ける基準、社内の窓口、書類と請求の管理方法

複数社に分けると、取引先登録や請求処理、進捗確認の相手も増えます。現在の会社が持つ貨物知識や対応実績も評価に含め、費用だけでなく自社の管理負担まで比べましょう。

判断例(説明用の仮定で、実際の取引事例ではありません)

既存の中国発の定期輸入は継続し、ベトナムの新しい仕入先から出荷する1件だけ別会社へ相談するなら、「依頼先の追加」として範囲を限定できます。出荷日が確定する前に、現地集荷から国内納品までの対応可否を確認します。

一方、すでに船積みされた貨物が到着間近で、納品が遅れそうな場合は、まず現在の依頼先と遅延理由・残作業を確認します。輸送中の案件の立て直しと、次回以降の依頼先選びは、分けて検討すると判断しやすくなります。

2. 見積もり前に手配主体と依頼範囲を確認する

海外の売主と自社のどちらが輸送を手配するか

売買契約に採用したインコタームズの規則・年版・指定地と、実際の手配内容を確認します。例えばFCAでは主な運送を買主側、CIFでは売主側が手配するのが原則です。売主がすでに輸送を手配している場合は、その会社・予約区間を確認してから、別会社に依頼できる範囲を調整します。出典:ICC「Incoterms® 2020 Checklist and Flowcharts」(PDF)

インコタームズは売買当事者間の役割を定める規則で、運送契約そのものではありません。個別の売買契約・運送契約・予約内容も確認してください。取引条件の整理にはインコタームズの解説を参照できます。出典:ICC Academyの解説

どの区間・業務を新しい会社へ相談するか

  • 出発地:海外の集荷、輸出通関、港・空港までの搬入。
  • 国際輸送:予約、海上・航空輸送、到着地での連絡。
  • 日本側:輸入通関、貨物の引き取り、国内配送、荷卸し。

例えば「海外輸送は手配済みで、日本側の通関と配送を相談したい」と伝えると、見積もりの対象が明確になります。ただし、既存の運送契約に含まれる配送などを外せるかは別途確認が必要です。

実際に通関する会社と、委任関係を確認する

窓口となるフォワーダーと、輸入申告を行う通関業者が別の場合もあります。新しい会社には、実際の通関担当、輸入者からの委任関係、必要な委任状・依頼書を確認しましょう。東京税関も、フォワーダーを介する場合に輸出入者からの委任関係が分かる書類を確認するよう案内しています。出典:東京税関「委任状等取得していますか?」(PDF)

現在の契約については、解約・更新の条件、最低利用量、既存予約の変更費用、支払残、データを受け取れる範囲を確認します。必要な準備期間は契約と案件の状況で変わるため、「何日前なら必ず変更できる」と決めずに確認してください。

3. 費用・日程・対応を同じ条件で比較する

各社に同じ貨物明細と希望条件を渡します。現行の請求実績と比較する場合も、貨物量・区間・輸送時期が違えば単純に金額を比べられません。今回の依頼条件を基準に揃えましょう。

金額の横に、含む範囲と前提条件を記入する
比較項目各社に揃えて確認する内容
貨物条件品名・用途、梱包数、寸法、総重量、積み重ね可否、温度管理・危険品などの条件
輸送の範囲集荷先から納品先までの対象区間。FCL・LCL、港・空港、直行・積み替えの別
通常発生する費用現地費用、国際運賃、サーチャージ、日本側の荷役・通関・配送などの内訳と除外項目
通貨・税・支払条件通貨、適用為替・適用日、見積有効期限、税込・税別、関税等の見込みと精算方法、立替手数料、支払時期
条件付きの費用検査・保管・待機・再配達・予約変更などの発生条件、単位、支払先
日程貨物準備日、搬入・書類の締切、出発・到着予定、納品予定。どれが予定で、どれが確約か
引き取り・納品条件CY・CFSの保管条件、フリータイムの起算日・最終日、FCLの空コンテナ返却、納品先の受付時間・車両制限・荷卸し設備
連絡と対応海外側の連絡窓口、進捗報告、遅延時の連絡、問い合わせへの回答、貨物保険の手配範囲

見積もりにない項目は「0円」ではなく「未確認」とします。通常の輸送費、条件付きの費用、関税等の見込みを分けて並べ、後から追加される範囲を質問してください。輸送日数も港間・空港間だけか、国内納品までかを確認します。

物流見積もりの比較表テンプレート(Excel)に各社の回答を記入すると、確認漏れを見つけやすくなります。依頼する情報の詳しい整理は輸入見積もりに必要な項目をご覧ください。他社の見積書や契約書を共有するときは、秘密保持の条件を確認し、提供できる情報に絞ります。

4. 切り替え時期と引き継ぎを決める

条件が合ったら、正式に依頼する前に「どの注文・出荷から新しい会社が担当するか」を案件番号で決めます。見積もりの相談と正式な発注は区別し、同じ貨物の予約・集荷・申告・配送が重複しないようにします。

進行中の貨物は、手配段階から確認する
手配段階主な確認事項進め方
次回の未手配案件売主との役割分担、貨物情報、新しい会社の受託条件・取引先登録対象案件を決め、初回の予約・集荷を誰が行うか合意する
予約済み・船積み前予約番号、集荷・搬入状況、取消・変更費用、代替便の確保代替手配の受託条件を確認し、関係者間で既存予約の取消・変更と新規手配の順序を決める
船積み後・到着前後B/L等の発行元・状態、荷渡し条件、通関の進捗、費用精算、保管期限、配車状況現在の依頼先・新しい会社・船会社等と、引き継ぎ可否、残作業と担当を確認する

船積み後の担当変更では、連絡先を変えるだけで貨物を引き取れるとは限りません。B/Lの記載を変更する必要があるか、誰が変更を依頼できるかは、発行元と関係者に確認します。輸入申告済みなら、その申告の扱いも通関担当と税関に確認し、新しい会社への二重依頼を避けます。

荷渡しの確認方法も会社ごとに異なります。例えばMaerskの日本輸入案内では、引き取り時にNACCSの荷渡し可能表示を確認するよう案内しています。これは同社の運用例です。今回利用する船会社・混載業者の手続きと、通関・配送の準備をそれぞれ確認してください。出典:Maersk「日本輸入」

書類だけでなく、過去の判断の根拠も引き継ぐ

税関は輸入申告に関する書類として、インボイス、包装明細書、B/L等、運賃・保険料明細、契約書・価格表を挙げています。貨物や適用する制度によって追加の書類も必要です。現在の書類に加え、新しい通関担当が貨物や取引を判断できる資料を用意します。出典:税関「輸入申告の際に必要な書類」

自社の案件番号に紐づけてまとめる引き継ぎ資料
区分揃える資料・情報確認する相手
貨物・取引インボイス、包装明細書、契約条件、仕様・用途、必要に応じSDSなど自社の購買・商品担当、海外仕入先
運送・荷渡し予約番号、B/L等の番号・発行状態、到着案内、支払・荷渡しの状況現在の依頼先、船会社・混載業者
通関過去の輸入許可書、品目分類・評価の根拠、事前教示の回答、原産地・他法令関係の資料自社と新旧の通関担当。過去の処理を今回も適用できるか再確認
国内配送引き取り場所、保管・返却期限、配車済みか、納品予約、荷卸し条件倉庫・ターミナル、配送会社、納品先
管理・請求誰がどこまで対応するか、未払・追加費用、請求先、共有ファイルの保存先・閲覧権限自社の物流・経理担当、新旧の依頼先

輸入者には帳簿・書類等の保存義務もあります。取引終了後に閲覧できなくなるデータがないか確認し、対象資料を自社で参照できるよう整理してください。出典:税関「帳簿書類の保存義務と電子帳簿等保存制度」

併用を続ける場合は、会社別のフォルダだけでなく、自社の案件番号で書類と進捗を探せる運用が役立ちます。貿易書類の管理方法も参考にしてください。

5. 初回案件で確認するチェックリスト

まず1件で運用を確認する場合も、貨物の重要度や契約上の制約を踏まえて対象を選びます。評価する項目と、問題があったときの連絡先を発注前に決めておくと、納品後の判断が具体的になります。

回答・完了日・担当者を記録する確認表
時点確認すること判断に使う記録
発注前対象区間、料金条件、責任分担、取引先登録、必要書類が揃っているか正式見積書、依頼・受託の記録、未確認事項への回答
出荷前仕入先との連絡、集荷・予約、書類の確認が間に合っているか予定日、提出日、修正依頼と完了日
輸送中・到着前予定変更の連絡と、通関・配送の準備が進んでいるか変更を知った日時、次の対応、担当者
引き取り・納品荷渡し・輸入許可・配車・納品予約の確認が済んでいるか実際の引き取り・納品日、待機や追加作業の理由
請求後見積もりと請求の差、その説明、社内の確認負担はどうだったか差額の内訳、合意済みの変更、次回改善する項目

遅れや追加費用が出た場合は、船の遅延、貨物情報の不足、納品先の変更など、理由も合わせて整理します。1件の結果だけで他の航路や貨物でも同じ対応ができるとは判断せず、継続する範囲を相談しましょう。

6. 新しい会社と既存会社への相談文例

新しい航路・貨物だけ追加相談する文例

件名:輸入案件の見積もり相談(既存取引を継続し、新規案件を追加検討)

現在、既存の物流会社へ定期輸入を依頼しています。今回は[国・地域/仕入先/貨物]について、次回1件の手配を相談したく、ご連絡しました。現時点では見積もりと対応可否の相談で、予約・集荷等の正式な依頼は別途行います。

・相談の目的:[新航路への対応/貨物の専門性/費用・日程の比較など]
・輸入者・海外仕入先:[会社情報]
・取引条件:[インコタームズの規則・年版・指定地]
・貨物:[品名・用途・梱包数・寸法・総重量・特別な取扱条件]
・希望区間:[集荷先]から[納品先]まで
・貨物準備日・希望納品日:[日付]
・現在の手配状況:[未予約/予約済みの区間と担当会社]
・希望する業務:[現地集荷・輸出通関・国際輸送・輸入通関・国内配送など]

対応可能な範囲、費用の内訳と除外項目、条件付き費用、想定日程、見積有効期限、必要書類・取引開始の条件をご提示ください。確定していない事項は、確認すべき内容と概算の前提条件もお知らせください。

仕入先の連絡先や取引書類は、相談先へ共有できる範囲を確認して提供します。検討中で未定の項目は、空欄にせず「未定」と記載してください。

既存会社に担当範囲と残作業を確認する文例

件名:輸入案件の今後の手配範囲と残作業の確認

今後の輸入手配を見直しており、[対象の航路・貨物・注文番号]について、[次回出荷分からの変更/新規案件のみ別会社への追加依頼]を検討しています。

現在貴社へ依頼中の[予約番号・B/L番号等]は、引き続き[完了までお願いしたい範囲]を想定しています。契約上の通知・更新条件、未完了の作業、変更に伴う費用、必要な引き継ぎ資料をご確認いただけますでしょうか。

担当範囲と費用が確定した後に、正式な変更内容と開始案件を共有します。本連絡だけで既存の予約・配車等を取り消さず、必要な調整事項をお知らせください。

よくある質問

現在の会社に不満がなくても、別会社へ相談できますか?

新しい航路・貨物への対応や、次回の条件比較を目的に相談する方法があります。現行契約の制約を確認したうえで、「既存の取引は継続し、今回はこの案件を相談したい」と範囲を伝えましょう。

海外輸送はそのままに、日本側の通関・配送だけ相談できますか?

相談することはできますが、受託できるかは貨物・契約・手配状況によります。現在の輸送区間、B/L等の情報、到着後の引き渡し方法を伝え、新しい会社が対応できる範囲を確認してください。

到着間近の貨物もすぐに切り替えられますか?

一律には判断できません。荷渡し、費用精算、通関、保管期限、配車の状況を確認する必要があります。現在の依頼先と新しい会社の双方に相談し、進行中の貨物の対応と、次回からの切り替えを分けて決めてください。

相談前に決めておくこと

「見直す理由」「対象の案件・区間」「現在の手配状況」の3点が、相談の出発点です。その条件で各社に確認し、引き継ぎの担当を決め、初回案件の実績を見て継続範囲を判断しましょう。

既存の依頼先を継続しながら、新しい航路や貨物だけを追加相談する使い方もできます。費用や日程がまだ不明な段階では、確定している情報と未定の項目を分けて伝えると、次に必要な確認が明確になります。

参考資料とこの記事の作成方法

確認日:2026年10月1日。ICC・税関・船会社の公開資料を参照し、AIを補助に、荷主が依頼先を見直すための確認表と文例を作成しました。判断例は説明用の仮定です。変更可否、必要書類、費用、締切は、対象貨物・契約・手配段階に応じて関係者へ確認してください。