海上輸送・輸入実務

デマレージ・ディテンション・フリータイムの違い
輸入コンテナの追加費用を防ぐ実務ガイド

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コンテナが積まれた港で、青い海上コンテナを運ぶトレーラーのイメージ

海上運賃を比較して輸入を手配したのに、貨物の到着後に思わぬ追加費用が発生した。その原因の一つが、コンテナの引き取りや返却の遅れです。見積もりを確認するときは、運賃とあわせて「いつまでに港から出し、いつまでに空コンテナを返すか」を押さえる必要があります。

この記事では、主に船会社のコンテナを使う輸入FCL(コンテナ単位の輸送)を想定し、用語の違いと手配時の確認ポイントを整理します。混載便(LCL)で利用するCFS(貨物を仕分け・混載する施設)の保管料などは、別の条件で確認しましょう。

1. デマレージ・ディテンション・フリータイムの違い

基本は、コンテナがターミナルの内側にあるか、外側にあるかで区別します。フリータイムは、その対象費用がかからない合意済みの期間です。

輸入コンテナでの一般的な区分
用語意味実務で確認すること
デマレージ
Demurrage
ターミナル内でコンテナを所定の無料期間を超えて保持した際の費用。貨物が入った実入りコンテナをいつまでに搬出するか。
ディテンション
Detention
ターミナル外でコンテナを所定の無料期間を超えて保持した際の費用。荷卸し後の空コンテナをいつまでに返却するか。
フリータイム
Free Time
対象となるデマレージ等の支払いが発生しない、合意された期間。対象費用、起算日、最終無料日をそれぞれ確認する。

船会社や契約によっては、港内・港外の期間を合算するCombined Demurrage and Detentionが適用されます。また、ターミナル等の施設利用に対するStorageが別建ての場合もあります。「フリータイムあり」だけで、すべての保管・利用費用が無料とは判断できません。

用語・区分の参考:Maersk「Terms for Detention and Demurrage」。実際の適用は利用する船会社・航路・契約の条件を確認してください。

2. 日数だけでなく「最終無料日」を確認する

「無料期間は何日ですか」に加えて、対象のコンテナについて何月何日まで無料なのかを確認すると、手配の認識違いを減らせます。次の項目をフォワーダーや船会社に確認しましょう。

通関完了日を起算日と思い込まないことも大切です。例えばMaerskの輸入デマレージは、本船からの荷卸しを起算の基準としています。書類の準備や通関を待つ間も期間が進む前提で、実際の適用条件を確認して手配しましょう。起算の基準についての参考:Maerskの条件

  • 起算の基準:本船到着、荷卸し、搬出など、どの時点を基準にするか。
  • 日数の数え方:暦日か営業日か、土日・祝日や搬出日・返却日をどう扱うか。
  • 適用する無料期間:デマレージとディテンションが別々か、合算か。
  • 超過時の料金:コンテナの種類・サイズ、超過日数ごとの単価、通貨、課金単位。
  • 作業できる期限:搬出・返却先の受付時間、予約の要否、休業日。

段取りの例:確認済みの搬出の最終無料日が金曜日でも、金曜日のドレージ車両や納品枠を確保できなければ、その予定は実行できません。搬出日・倉庫の受入日・空コンテナ返却日をひと続きの計画にし、可能なら期限より前に余裕を設けます。

3. 追加費用を防ぐ手配の進め方

船積み前:書類と納品条件を先にそろえる

インボイス・パッキングリストの内容に不明点があれば、到着を待たずに確認します。B/L等に関する貨物引き渡しの手続きも、担当者と進捗を共有しましょう。書類の準備はインボイス・パッキングリストの作り方、船積書類はB/Lの解説も参考になります。

到着前:ドレージと荷卸しの予定をつなぐ

到着予定に合わせて、ドレージ(コンテナの陸上輸送)の車両、納品先の受入枠、荷卸しに必要な人員・設備を確認します。「港から出せる日」と「倉庫で受け取れる日」がずれていないかがポイントです。配送の手配条件はドレージの基礎ガイドで整理できます。

到着後:予定変更と返却完了を追う

本船の予定や搬出可能日が変わったら、無料期間の期限と納品予約を改めて確認します。貨物を届けた後も、空コンテナの返却先・予約・受付時間を確認し、返却完了まで担当を決めておきましょう。

遅れが見込まれる場合は、原因、対象コンテナ、搬出・返却の見込みをまとめて早めに相談します。無料期間の延長を希望するときは、可否、費用、適用対象について書面で回答を受け、合意前に延長済みとして予定を組まないことが大切です。

4. 見積もり時のチェックリストと問い合わせ文例

海上運賃だけで比較せず、追加費用の条件もそろえると、依頼後の認識違いを減らせます。次の項目を見積書やメールで残しておきましょう。

  • 船会社、揚げ港、コンテナの種類・サイズ・本数
  • デマレージ/ディテンションそれぞれの無料期間と計算条件
  • 合算方式の有無、Storageなど別途発生する費用の有無
  • 超過日数ごとの単価と、料金表の適用時点
  • ドレージ・荷卸し・空コンテナ返却の担当範囲と、追加費用が発生した場合の負担者
  • 到着後に期限を確認する担当者と、遅延時の連絡先

そのまま使える問い合わせ文例

件名:輸入コンテナのフリータイム・超過料金の確認

今回の輸入案件について、下記条件で見積もりをお願いします。
揚げ港:[港名]/コンテナ:[種類・サイズ・本数]
到着予定:[日付]/納品先:[住所]/希望納品日:[日付]

デマレージ・ディテンションの無料期間、起算日、休日の扱い、超過料金をご教示ください。合算方式や別途の保管料がある場合は、その条件もお願いします。

あわせて、希望日での搬出・納品・空コンテナ返却が可能か、手配範囲をご確認ください。到着後は、対象コンテナの最終無料日と返却先を共有いただけますと幸いです。

見積もりの費目を整理するには、海上運賃の内訳・サーチャージの解説も役立ちます。

5. よくある質問

フリータイムはどの船会社でも同じですか?

一律と考えず、案件ごとの見積条件・適用料金表を確認しましょう。以前の輸入で使えた日数を、そのまま今回の予定に当てはめないことが大切です。

港から搬出すれば、追加費用の心配はなくなりますか?

搬出後も空コンテナの返却まで管理が必要です。納品日だけでなく、返却予定日と返却完了を確認してください。

フリータイムが長い見積もりを選べばよいですか?

無料期間に加え、運賃・現地費用・配送費用と、予定どおり納品できるかを比較しましょう。自社の荷卸しに必要な日数や倉庫の受入条件を先に伝えると、実行できる提案かどうかを判断しやすくなります。

輸入手配は、空コンテナの返却まで見通して相談を

追加費用を防ぐには、搬出と返却の期限を把握し、書類・車両・納品先の準備を合わせて進めることが大切です。物流会社へ相談するときは、希望納品日と荷卸し条件も共有しましょう。ロジミーツでは、輸送条件に合う物流パートナー探しをご案内しています。

物流パートナー探しについて見る

本記事は2026年9月13日時点で確認した情報をもとに、一般的な実務の確認ポイントを整理したものです。個別の無料期間・料金・適用条件は、利用する船会社やフォワーダーの最新の案内をご確認ください。

本記事は、国際物流ビジネスマッチングサービス LogiMeets(ロジミーツ) を運営する 株式会社テクイット より提供しています。
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