台湾から日本への輸入を手配するときは、「近いので早く安く届く」と考える前に、仕入先の引渡条件と、日本の納品先までに必要な作業を確認しましょう。少量の部品とパレット単位の貨物では、比較すべき輸送サービスも変わります。
このガイドでは、事業者による商品・部品の輸入を対象に、台湾側の出荷地、輸送方法、費用、書類を整理します。旅行者の持ち帰り品や個人使用の買い物とは分けて検討してください。
1. 台湾の出荷地と港をどう選ぶか
台湾の港には基隆、台北、台中、高雄などがあります。港湾の案内は台湾港務の公式サイトで確認できます。見積もりでは港名を先に固定するより、まず工場・倉庫の住所と納品先を提示し、利用できる便を相談する方法が実用的です。
| 集荷地域の例 | 比較候補となる港の例 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| 台北周辺など北部 | 基隆・台北 | 利用する港・搬入倉庫の正式名称、集荷から搬入までの費用 |
| 台中周辺など中部 | 台中 | 日本側の到着港と便の予定、他港利用時の陸送費 |
| 高雄周辺など南部 | 高雄 | 工場の引渡可能日、混載・コンテナそれぞれの受付条件 |
この表は相談時の候補で、特定の直行便やサービスの運航を保証するものではありません。近い港でも、便の予定や日本側の配送距離によって納品までの総額・日数が変わります。
仕入先が「送料込み」と提示している場合も、港までなのか、日本の倉庫までなのかを確認します。取引条件と指定場所を明記してもらい、輸入者側に残る費用を整理してください。
2. 海上輸送・航空貨物・国際宅配便を比較する
| 方法 | 検討する場面 | 見積もりで聞くこと |
|---|---|---|
| 国際宅配便 | サンプルや小口の補充品 | サイズ・商品制限、通関や税金の扱い、配送先までの料金 |
| 航空貨物 | 急ぎの部品や、納期を優先する貨物 | 実重量と容積重量、空港からの配送、集荷・通関の手配範囲 |
| 海上LCL | コンテナ一本に満たない貨物 | 最低料金、混載倉庫での作業、到着側の費用 |
| 海上FCL | まとまった荷量、積付け条件のある貨物 | コンテナの種類、納品先の荷卸し設備、返却までの条件 |
小さくても重い金属部品と、軽くてもかさばる包装資材では運賃の計算が違います。「何kgから船便」と一律に決めず、梱包後の寸法と重量で比較しましょう。計算の考え方はCBM・容積重量の解説にまとめています。
電子機器・精密部品は梱包条件も伝える
型番、用途、電池の有無に加え、衝撃・湿気・静電気への対策や、積み重ねの可否を仕入先と確認します。特殊な梱包や荷扱いが必要なら、運賃とは別に手配・費用を確認してください。電池を含む場合の相談項目はリチウム電池輸送ガイドも参照できます。
3. 台湾から日本に届くまでの日数はどう確認する?
確認したいのは、輸送区間だけの日数と、工場から納品先までの日数の両方です。航空便でも、集荷締切や書類の準備、到着後の手続きによって納品日は変わります。
- 貨物が動き出せる日:製造・検品・梱包の完了と、集荷可能な日時。
- 台湾側の締切:倉庫への搬入、書類提出、便の予約に必要な期限。
- 国際輸送の予定:出港・出発、積み替えの有無、日本到着。
- 納品までの予定:貨物引取り、通関、配送車両と倉庫受入枠の確保。
「来週使いたい部品」であれば、必要な数量と使用開始日を伝え、一部を先に送る案も比較します。全量を急送する場合と比べ、送料、梱包の分割、通関手配の回数を含めて判断してください。
到着予定日は、そのまま納品日ではありません。旧正月などの休業、欠航・抜港、通関での確認に備え、仕入先と物流会社に変更時の連絡先・代替案も確認しましょう。
4. 輸入費用と関税は何を確認する?
台湾側の集荷・輸出手配、国際運賃、日本側の取扱い・通関・配送を並べて比較します。さらに貨物保険、関税・輸入消費税、検査・保管などの条件付き費用を分けて確認すると、必要な予算を整理できます。
運賃の通貨と有効期限、最低料金、燃油等の割増料金、納品時の荷卸し費用が含まれるかも確認しましょう。LCLでは、海上運賃に日本到着後の作業費が含まれているとは限りません。
「台湾から発送」と「台湾原産」を区別する
商品の発送地と原産地は同じとは限りません。税率を確認する際は、商品の材質・用途などから分類を確認し、原産地と輸入時点の税率を調べます。税率の種類と適用の考え方は税関の税率決定までの流れを参照してください。
2026年9月24日の確認時点で、台湾は日本のRCEPやCPTPPの相手先に含まれていません。ベトナムなどからの輸入と同じEPA利用を前提にせず、税関の協定一覧と品目ごとの税率を確認します。EPAの対象でないことと、すべての商品に関税がかかることは同義ではありません。
5. 必要書類と商品別の準備
取引の内容が分かるインボイスと、梱包の内訳が分かるパッキングリストを用意します。輸送に応じたB/L・海上運送状・AWB、運賃等の資料も通関業者に共有します。必要書類の基本は税関の案内で確認できます。
- 機械部品:型番だけでなく、材質・用途・組み込む機械などを説明できる仕様書。
- 電子機器:機能、電源、電池の仕様、無線機能の有無などが分かる資料。
- 食品・食器:原材料・材質、製造方法、使用目的など、日本での手続きを相談するための資料。
これらは確認を始めるための資料例です。商品によって必要な手続きは異なるため、購入前に担当する通関業者や所管窓口へ相談してください。
サンプルや無償提供の品でも、「無料だから申告する情報は不要」とは考えず、用途と価格の根拠を通関業者へ伝えます。修理品の返送・再輸入は通常の仕入れと区別し、以前の輸出入書類も用意して相談しましょう。
6. 台湾輸入の見積もり依頼例
以下は部品を輸入する場合の架空の記入例です。運賃・納期の実績を示すものではありません。
貨物:台中市内の工場から愛知県内の倉庫へ送る機械用金属部品。材質・用途・型番一覧を添付。電池・液体なし。
荷姿:段ボール10箱、各50×40×30cm、総重量150kg、合計容積0.60m³。積み重ね可能。梱包写真あり。
取引条件:EXW(工場の指定住所)。台湾での集荷・輸出手配から日本の倉庫まで依頼したい。
比較希望:航空貨物とLCLの総額・納品予定日。急ぎの2箱を別送する案も相談。完成日、希望納品日、倉庫の受入時間を共有する。
同じ条件を各社に提示し、見積もりの対象範囲と除外費用を揃えて比較します。回答時点で未確定の費用があれば、確定するタイミングも確認してください。
7. よくある質問
台湾からの送料はいくらですか?
出荷地、納品先、貨物の寸法・重量、輸送方法、手配範囲によって変わります。まず梱包後の情報を揃え、税金と追加費用の扱いを明示した見積もりを依頼してください。
小口でもフォワーダーに相談できますか?
会社ごとの取扱条件によります。小口貨物を扱えるか、国際宅配便などとの比較が可能かを確認します。商品購入の代行と輸送手配は業務が異なるため、希望する範囲も伝えてください。
船便と航空便はどちらがよいですか?
希望納期を満たす方法を先に絞り、その中で納品までの費用と荷扱い条件を比較します。距離の近さだけで決めず、実際の便と到着後の工程を確認することが大切です。
参考情報と関連ガイド
制度・港湾情報は本文中の税関・台湾港務の公式資料を参照しています(確認日:2026年9月24日)。税率・手続きは輸入時点、運賃・スケジュールは予約時点の情報をご確認ください。