海上輸出では、船のスペースを予約する「ブッキング」を行い、決められた締切までにコンテナや書類を港に届ける必要があります。締切に1日でも遅れると予定の船に積めず、次の便まで出荷が延びることがあります。
ブッキングでは、①どの船に積むか、②それぞれの締切はいつか、③誰がいつまでに何をするか、を一覧にして共有すると、締切の見落としを防げます。この記事では、輸出の荷主が知っておきたいブッキングと締切の基本をまとめます。
1. ブッキングに必要な情報
ブッキングは、フォワーダーや船会社に依頼します。次の情報を揃えて依頼すると、確認のやり取りが減ります。
- 貨物:品名、数量、重量、容積、危険物・温度管理の有無
- コンテナ:種類とサイズ(20フィート・40フィート・ハイキューブ・リーファーなど)と本数。LCLの場合は荷姿
- ルート:積出港、仕向港、最終的な納品先
- 日程:貨物が用意できる日、希望の出港日、到着の期限
- 作業:バンニングの場所、輸出通関・国内輸送の手配の要否
ブッキングが成立すると、ブッキング番号や本船名、締切が記載された確認書(ブッキングコンファメーション)が届きます。記載内容が依頼と一致しているかを必ず確認しましょう。
2. 主な締切の種類
| 名称 | 内容 | 遅れた場合の影響 |
|---|---|---|
| CYオープン | 実入りコンテナをターミナル(CY)に搬入できるようになる日 | これより前は搬入できないため、保管場所が必要 |
| CYカット | 実入りコンテナをCYに搬入する締切 | 予定の船に積めない |
| CFSカット | LCL貨物を混載倉庫に搬入する締切。CYカットより早い | 次の混載便に回される |
| ドキュメントカット(S/Iカット) | B/Lを作成するための船積指示書(S/I)の提出期限 | B/Lの発行が遅れる、追加料金がかかる |
| VGMカット | コンテナの総重量(VGM)を申告する締切 | 船に積めない |
| 輸出許可 | 船積みまでに税関の輸出許可を受ける | 許可がないと船積みできない |
締切の日時は、船会社・ターミナル・本船ごとに異なります。「出港の何日前」と覚えるのではなく、確認書に記載された日時で管理してください。VGMについてはバンニングの解説もご覧ください。
3. 空コンテナの引き取りから船積みまで
- 空コンテナの引き取り:ブッキング番号をもとに、指定された置き場(バンプール)から空コンテナを引き取ります。
- バンニング:工場や倉庫でコンテナに貨物を積み込み、シールで封をします。
- CYへの搬入:CYカットまでに、実入りコンテナをターミナルに搬入します。
- 書類の提出:ドキュメントカットまでにS/I、VGMカットまでにVGMを提出します。
- 輸出申告・許可:通関業者が輸出申告を行い、許可を受けます。
- 船積み・出港:本船に積まれ、出港後にB/Lが発行されます。
4. 積み残し・遅延への備え
船会社の都合で予定の船に積めず、次の便に回されることをロールオーバー(積み残し)といいます。繁忙期の予約の超過や、本船の遅れ・寄港の取りやめ(抜港)などが原因です。
- 出港が確定するまで、本船の動きと積み込みの状況を確認する
- 納期に余裕がない貨物は、早めにブッキングし、代替の便の候補を聞いておく
- 信用状(L/C)の船積期限がある場合は、遅れの可能性を早めに買い手と共有する
5. 輸入側で知っておきたい事前報告
日本に到着する海上コンテナ貨物は、外国の港で本船に積む24時間前までに、船会社やNVOCCが貨物の情報を日本の税関に報告する制度(出港前報告制度)があります。輸入者が直接報告するものではありませんが、仕入先が書類を遅れて出すと、報告や船積みに影響することがあります。
米国向けの輸出にも同様の制度(ISF・AMS)があります。アメリカへの輸出ガイドをご覧ください。
6. よくある質問
ブッキングはいつまでにすればよいですか?
航路や時期によって異なりますが、繁忙期は早めの予約が必要です。貨物の準備日が決まったら、すぐに相談を始めましょう。
ブッキングをキャンセルすると費用はかかりますか?
空コンテナを引き取った後のキャンセルや、直前のキャンセルには費用がかかることがあります。条件を事前に確認しておきましょう。
CYカットに間に合わない場合はどうすればよいですか?
分かった時点ですぐにフォワーダーに連絡します。ターミナルや船会社の了承を得て搬入を延長できる場合もありますが、確実ではありません。
参考情報と関連ガイド
本記事は一般的な輸出の流れを説明するものです(確認日:2026年10月12日)。締切の日時や手続きは、船会社・フォワーダーの案内に従ってください。