複数の物流会社から見積もりを取ったものの、書式も費用の名称もばらばらで、どれが安いのか判断できない。国際物流の相見積もりでは、よくある悩みです。見積書の合計金額だけを並べると、費用の範囲が違うものを比べてしまい、「一番安い」と思って選んだ会社が結果的に高くつくこともあります。
見積もりを比べるときは、①費用の範囲をそろえ、②円に換算した合計を出し、③条件付きの費用と日程を並べて確認します。この記事では、そのための比較表テンプレートと記入例を紹介します。
比較表テンプレート(無料・登録不要)
A社・B社・C社の見積もりを、費用・日程・対応の項目ごとに記入できます。Excel版は費用を入力すると円換算の合計を自動で計算し、最も安い会社の合計に色が付きます。この記事の記入例のシートも入っています。
物流見積もり比較表をダウンロード(Excel)
CSV版をダウンロード(Googleスプレッドシートなど向け)
1. 比較表に入れる項目
テンプレートでは、項目を5つの区分に分けています。見積書に書かれていない項目は空欄にせず、「記載なし」と書いておくと、確認が必要な箇所がひと目で分かります。
| 区分 | 主な項目 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 条件 | 輸送方法、区間、費用の範囲 | 同じ条件の見積もり同士を比べるため |
| 費用 | 出発地側・運賃・サーチャージ・到着地側・配送・保険・為替・税 | 範囲をそろえた合計を出すため |
| 条件付き費用 | 検査・保管・待機など、発生した場合のみの費用、フリータイム | 請求時の追加費用に備えるため |
| 日程 | 搬入締切、出発・到着予定、納品予定日 | 希望日に間に合うかを確かめるため |
| 対応 | 対応範囲、連絡方法、支払条件 | 手配の手間やトラブル時の対応を比べるため |
見積書の費用の名称や略語が分からないときは、海上運賃の見積もりの読み方や航空貨物の運賃と見積もりの見方を参考にしてください。
2. 記入例:合計金額の順位が入れ替わるケース
以下は比較方法を説明するための架空の金額です。相場・実績・ロジミーツの提供価格ではありません。海外から日本への海上LCL輸入で、納品先の倉庫までの費用を比べる想定です。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 見積書の合計 | 150,000円 | 230,000円 | 1,200ドル+60,000円 |
| 見積書の範囲 | 日本の港に着くまで | 納品先の倉庫まで | 納品先の倉庫まで |
| 範囲外の費用(追加で確認) | 到着地側費用 60,000円 国内配送 40,000円 | なし | なし |
| 為替換算 | — | — | 1ドル=150円で180,000円 |
| 範囲をそろえた合計 | 250,000円 | 230,000円 | 240,000円 |
| 見積有効期限 | 今月末 | 今月末 | 2週間 |
見積書の合計ではA社が最も安く見えますが、納品先までの範囲にそろえるとB社が最も安くなります。A社の範囲外の費用は推測で埋めず、A社に追加の見積もりを依頼して確認しましょう。C社は外貨建ての費用があるため、為替が動くと合計が変わります。請求時の換算方法も確認が必要です。
上表には関税・輸入消費税、検査・保管などの条件付き費用を含めていません。これらは比較表の別の行に記入し、発生条件を各社に確認します。費用が変わる理由は物流費用の比較ガイドで詳しく解説しています。
3. 金額以外に比べるポイント
- 日程:「港に着く日」ではなく「納品先に届く日」で比べます。安い案でも、希望日に間に合わなければ選べません。
- 条件付き費用:検査・保管・待機などの費用が、どのような場合に、いくら程度かかるか。フリータイムの日数も比べます。
- 対応範囲:書類作成や梱包、倉庫作業を任せられるか。自社で手配する作業が残ると、その手間も費用に含めて考えます。
- 回答の分かりやすさ:質問への回答の速さや、内訳の明確さは、実際に手配を始めてからの連絡のしやすさの目安になります。
物流会社選びの全体的な考え方はフォワーダーの選び方をご覧ください。
4. 各社に確認するときの質問例
比較表で「記載なし」になった項目や、他社と比べて差が大きい項目は、各社に確認します。質問はまとめて送ると、回答をそろえやすくなります。
お見積もりをありがとうございます。比較のため、下記についてご教示ください。
1. お見積もりの範囲(納品先までの配送・荷卸しを含むか)
2. 範囲外の費用がある場合、その項目と金額の目安
3. 外貨建ての費用の円換算の方法と適用日
4. 検査・保管など、条件によって発生する費用と発生条件
5. 貨物の搬入締切と、納品先への到着予定日
そもそも依頼の条件がそろっていないと、回答もばらばらになります。依頼時に伝える項目は輸入見積もりの依頼ガイド・輸出見積もりの依頼ガイドをご覧ください。
5. 依頼を見送る会社への連絡文例
相見積もりで依頼しなかった会社にも、結果を伝えておくと、次回の依頼で協力を得やすくなります。理由は簡潔に、今後につながる情報があれば添えましょう。
先日はお見積もりをいただき、ありがとうございました。
社内で検討した結果、今回は納期の条件から別の手配とさせていただくことになりました。
ご対応いただいたにもかかわらず申し訳ございません。今後、同じ区間の輸送が発生した際には、改めてご相談させてください。
価格が理由の場合も、「今回は費用の条件から」と伝えれば十分です。他社の具体的な金額は伝えないようにしましょう。
6. よくある質問
相見積もりは何社から取ればよいですか?
比べやすさと手間のバランスから、まずは3社程度が目安です。特殊な貨物や、対応できる会社が限られる区間では、回答が得られない会社もあるため、依頼先を多めにすることも検討しましょう。
相見積もりであることは伝えるべきですか?
伝えて問題ありません。複数社で比較していることを伝えると、内訳を明確にした見積もりを出してもらいやすくなります。
一番安い見積もりを選べばよいですか?
範囲をそろえた合計が最も安くても、日程や対応範囲が希望に合わない場合があります。条件付き費用の発生しやすさや、回答の分かりやすさも含めて判断しましょう。
テンプレートはExcelで使えますか?
Excel版(.xlsx)は、そのまま開いて使えます。合計の計算式と、最安の合計に色を付ける設定が入っています。Googleスプレッドシートなどで使う場合は、CSV版も用意しています。自社の貨物や区間に合わせて、項目を追加・削除してお使いください。